風呂場からの歌声
土曜の夕方、食事の支度をしていたのだけれど、醤油を切らして仕方なく近所のスーパーに買いに行った。
歩いていける距離にスーパーがあるのだけれど、いつもはついつい車で行ってしまう。
でも休日ということもあってのんびりご飯の支度をしていたし、時間もあるので歩いてみた。
夕暮れだけどまだ暗くはない道を歩いているとザブンザブンという音が聞こえてきた。
近所の人が風呂に入っているらしい。
初めて聞いたわけじゃないけれどちょっと驚いた。
外が暗くなってくると中の人影が見えちゃうんじゃないかな、などといらぬ心配をしながら前を通り過ぎた。
買い物を済ませ自宅への帰り道。
風呂の音がする家の前をまた通りかかると今度は決して上手とはいえない歌声が聞こえてきた。
と同時にかわいらしいこどもの笑い声も。
お父さんがこどもと一緒にお風呂に入っているとかそんなことらしい。
人の家の風呂の様子なんてどうでもいいし、むしろ恥ずかしいくらいなのでさっさと通り過ぎようとしたそのとき、
「パパー、音痴だねー」
という無邪気な子供の声が聞こえてきた。
思わずふきだしそうになったけれど、そのまま足早に立ち去ってしまおうとしたそのとき
「音痴じゃないよー!」というパパらしき人の叫びが聞こえてきた。
結構本気のようだった。
子ども相手に大人気ないと思ったけれどほほえましくて笑ってしまった。
帰宅してから食事を完成させていざ入浴タイムになった時、私は絶対歌わないぞと心に誓った、自称、音痴ではない私なのだった。
ちなみに音痴は治す事ができるらしいよ。